KOMIケア理論を用いた看護ケア


KOMI理論とは、ナイチンゲール思想を土台にして構築された理論です。ナイチンゲールは、病気とは「回復過程」であると考えています。

 

身体に備わった「自然治癒力の発動の現れ」であり、それに伴う様々な症状は、そのシステムが発動した現象としてみてとることができます。このように体内を元の状態に戻そうとバランスをとるプロセス全体をナイチンゲールは「自然の回復過程」と呼んだのです。

 

看護とは、こうした「自然の努力」を支える行為であり、看護とは、「体内で自然治癒力(回復のシステム)が発動しやすいように、あるいは生体バランスが本来あるべき姿を取り戻すように、患者自身と患者を取り巻く暮らしの条件・状況を最良の状態に整えること」とも指摘しています。

 

その時、看護職は患者の生命力の消耗を最小にするように配慮し、同時に持てる力を最大に引き出すように工夫しながら援助する専門職であると言えるのです。(KOMI理論より)

 

当ステーションでもKOMI理論を用いた看護ケアを行っています。病気や症状だけを見るのではなく、患者様やご家族を取り巻く生活環境や社会、暮らし方や趣味・思考など、患者様自身の人生の物語を読み解きながら、その人らしく最期まで希望の場所で暮らせるように援助していきたいと考えています。

 

とくに在宅生活を希望される患者様やご家族を支えるにあたって、このような柔軟な考えの看護師がリーダーシップを取り、他職種と連携することで、病状の安定や在宅生活での安心・安全に繋げることができています。関わる看護師が、同じ視点で患者様を看て、どの看護師が訪問しても同じ看護ケアを提供できるように、KOMI理論を用いた看護展開を行っているのも当ステーションならではです。

ナイチンゲール思想を土台にして構築された理論

ナイチンゲールは、病気とは「回復過程」であると考えています。身体に備わった「自然治癒力の発動の現れ」であり、それに伴う様々な症状は、そのシステムが発動した現象としてみてとることができます。このように体内を元の状態に戻そうとバランスをとるプロセス全体をナイチンゲールは「自然の回復過程」と呼んだのです。


看護とは、「自然の努力」を支える行為


 

病気とは、こうした生物としての人間の仕組みが生み出したものであり、それ自体は悪い現象ではなく身体が外部環境と内部環境のバランスを取るべく対応しようとして現れた現象(=回復過程)なのだということが分かると思います。

 

そう考えた時、はじめて「看護」とは、こうした回復過程を外から、つまり生活過程を整えることによって援助するものであるということが見えてきます。それゆえに、病気に対する看護とは、医師の「診断・治療」を助けることだけではなく、人間が健康を順調に回復できるように、生きる力に力を貸そうとすること、具体的には身体内部の回復システムが働きやすい条件を整えることといえます。

 

本来の看護とは、「生活の処方箋」を描き、生活過程を整える実践そのものなのです。

とくに在宅生活を希望される患者さまやご家族を支えるにあたって、このような柔軟な考えの看護師がリーダーシップを取り、他職種と連携することで、病状の安定や在宅生活での安心・安全に繋げることができています。